三郷市立瑞穂中学校いじめ防止基本方針

 

 

はじめに

本校は平成2年、市内で8番目に創立した学校である。学ぶ環境が整い、学習にも部活動に意欲的に取り組んでいる学校である。学校選択制により、この校風を求めて市内全域から生徒が集まっている。多くの生徒・保護者が「瑞穂中で学びたい・学ばせたい!」という明確な意志を持っており、生徒の落ち着きと意欲、保護者の理解と協力体制により、充実した教育活動が展開されている。

本校の目指す学校像は、「笑顔・自信・絆」のある学校、目指す生徒像は、「夢や希望をもち、未来に羽ばたく瑞穂中生」、そして、目指す教師像は「 4S(スピリット・スマイル・スピード・スクラム)チーム瑞穂」として全教育活動に取り組んでいる。

 保護者や地域との連携に関しては、PTA活動をはじめ、「学校応援団」を効果的に活用している。その例として、夏期講座の親teacherや学校環境整備の花植えやペンキ塗りなどがあげられる。また、地域のクリーン作戦にも全校をあげて毎年参加している。これらの活動を通して、学校だけでなく、保護者・地域からの協力やサポートを得ながら瑞穂中の生徒たちの教育活動に臨み、より良い知育・徳育・体育の向上を期待している。

本校において、いじめの防止、早期発見、対応が、計画的に行われるよう、講ずるべき対策の内容を以下に記載する。

1  いじめの定義

 「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人間関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。(法第2条第1項)

 

2  いじめの未然防止

(1) 授業を通して人間関係づくりを学ぶ

   ア 道徳の授業を通して

本校オリジナルの道徳スタイル(コの字型座席、役割演技、小集団の話し合いを重点とした授業スタイル)による授業展開により、日々の生活における実際の場面を想定させ、学校生活で、生徒の互いの人間関係づくりの力を育成する。

 イ 日々の授業を通して

各教科、その他の活動場面では「課題の設定」と「考え、話し合い、学び合う活動」、「まとめと振り返り」のある指導や取組を行うことで、学校生活での問題を自ら解決しようとする態度や方法の育成を期待することができる。
(2)
様々な体験活動の充実

ア あいさつ運動

  生徒会本部役員や生活委員が主体となり、登校生徒に声をかけることで、生徒同士の関わりの機会を増やし、連帯感や信頼関係の育成を期待している。また、職員も学年ごとにあいさつ運動に加わり、生徒の朝の表情を複数の目で確認することができる。

イ NIEや新聞の活用

   全クラスに毎朝新聞が配布され、世の中の情勢に注目する機会を与えている。新聞を通して、いじめ問題だけでなく、政治・経済・流行など、様々なことに興味を持たせ、広い考え方のできる生徒を育成し、いじめ防止につなげていく。

ウ 部活動大会の壮行会

    中体連の学総大会や新人戦の直前には、学校をあげての壮行会を開き、頑張る気持ちと応援する気持ちを高め合うことを期待している。文化部からも応援の言葉を贈り、学校全体が一つとなり、温かい雰囲気を作り出すことができる。

(3) 意識の啓発

ア いじめ撲滅宣言

一人一人がいじめ撲滅の「宣言カード」を作成し掲示する。

イ 授業を通して

総合の福祉学習や社会科の授業では、「人権」について考える時間を設定し、命の尊さや健全な人権感覚を育む。「いじめをしない」だけでなく「いじめとならない」ような生活を全員が送れるようになることを期待する。

(4) その他

ア 二者面談

  全校で、学期ごとに二者面談習慣を設定し、教師が生徒の小さな変化にも気付けるようにし、また、生徒 からも不安を教師に相談できる機会を設定する。
 イ 学校評価項目への位置付け

  瑞穂中学校いじめ防止基本方針に基づく取組の実施状況を学校評価の評価項目に位置付け、その評価結果を踏まえ、学校におけるいじめの防止等のための取組の改善を図る。
   ウ ホームページへの掲載、保護者・地域住民への周知

  策定した学校いじめ防止基本方針については、ホームページへの掲載等により、保護者や地域住民が内容を容易に確認できるようにするとともに、入学時や各年度初めに生徒、保護者、関係機関等に説明する。

 

3 早期発見のための対策

(1) 日常的なコミュニケーションの充実

  ア 教職員は、生徒に積極的に言葉がけをして、児童生徒とのコミュニケーションを図り、生徒の小さな変化を見逃さないようにする。

イ 「生活ノート」を活用し、生徒の実態把握と適切な指導に努める。

ウ 休み時間や昼休み等、生徒の様子に目を配り、「生徒がいる所には、教職員がいる」ことを目指す。

(2) 教育相談の実施体制
   ア 生徒及び保護者が相談を行うことができるよう、教職員と生徒の信頼関係を築き、次の通り相談体制を整える。
   (1) 「生活悩みアンケート」を毎月実施している。どんな不安なことを抱えているか、誰かに相談できているかなどを記入させ、生徒の悩みを取りこぼさないように心がけている。そして、そのアンケート回答は、学級担任だけでなく、学年や教育相談部会(学校全体)で共有する。
   (2)第2教育相談室と連携し、通級している生徒がいる際は、こまめに相談室に足を運び、生徒の様子や心うちの観察を任せっきりにせず、学校への復帰を支援する。
   (3)さわやか相談員、スクールカウンセラーの活用

(3) 校内研修の実施

 生徒理解に関する研修やいじめ防止等のための対策に関する研修を実施し、教職員の意識啓発を図る。

(4) SNSによるいじめに対する対策
    ア インターネット等を通じて行われるいじめを防止するとともに、効果的に対処できるようにするために、情報モラル研修会を実施する。
    イ ネットマナーアドバイザーの方を講師に招聘し、SNSツールの危険性等を生徒・保護者・教師が正しく理解できる機会を設定する。

 

4  いじめの対応

(1) 適切な実態把握

 当事者双方、周りの生徒から個々に聴き取り、正確な情報の収集・把握にあたる。その際、複数の教員が立ち会うこととする。

(2)組織的な対応
 ア いじめの事実が確認された場合は、学校として事実の共通認識、対応の共通理解を図り、組織的に対応する。
   イ いじめを発見したときには、学級担任だけで抱え込むことなく、校長以下指導体制を整え、的確な役割分担をして解決にあたる。

(3) 生徒への指導、支援

  ア いじめられた生徒の保護、心配や不安を取り除く支援を行う。
 イ いじめを行った生徒に対して、相手の苦しみや痛みに心を寄せる指導を十分に行うとともに、「いじめは決して許されない」という人権意識を持たせる

(4) 保護者との連携
 ア いじめられた生徒及び保護者に対する支援を行い、具体的な対応策を説明する。また、いじめを行った生徒の保護者と面談し、再発防止のための策を講じる。

  イ インターネット等によるいじめに対しては、保護者の協力を求め、学校との連携について協議する。

(5) 関係機関への報告・相談

 必要に応じて、教育委員会への連絡・相談を行うとともに、事案によって関係機関(吉川警察署、越谷児童相談所等)との連携を行う。

 

5 校内組織

(1)「生徒指導・いじめ対委員会」の設置 
 いじめの防止等を実効的に行うため、「生徒指導・いじめ対策委員会」を設置する。
〈構成員〉 校長 ・ 教頭 ・ 教務主任 ・ 生徒指導主任 ・ 養護教諭 ・ 学年生徒指導担当
〈活動〉ア 早期発見に関すること。(教育相談等)

   イ 未然防止に関すること。

     ウ 対応に関すること。

     エ  いじめが心身に及ぼす影響、その他いじめの問題に関する生徒の理解を深める取組。
〈開催〉週1回を定例会とし、いじめ事案発生時は、緊急開催する。

(2) 重大事案への対処
  生命・心身又は財産に重大な被害が生じた疑いや相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがある場合は、次の対処を行う。
 ア 三郷市教育委員会に速やかに報告する。
 イ 教育委員会と協議の上、当該事案に対する組織「緊急いじめ対応委員会」を設置する。

〈構成員案〉 校長 ・ 教頭 ・ 教務主任 ・ 生徒指導主任 ・ 養護教諭 ・ 教育相談主任
 ウ「緊急いじめ対応委員会」を中心として、事実関係を明確にするための調査を実施する。
 エ「緊急いじめ対応委員会」の調査結果については、いじめを受けた児童生徒及び保護者に対し、事実関係及び必要な情報を適切に提供する。同時に、いじめを行った児童生徒の保護者にも事実関係及び必要な情報を適切に提供し、今後の対応について、協議する。
 オ「緊急いじめ対応委員会」は、調査結果及び再発防止策について、三郷市教育委員会に報告する。